元事務次官の刺殺事件を受け

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人間って本当に複雑に出来ている動物だと思う。

人間の精神には未だにわからないことがたくさんあり、まだ解明されていない事がまだまだあるんだ。

最近、ワイドショーなどでとても話題になっていた農林水産省の元事務次官が息子の長男を殺したというニュースがあった。

長男は40歳を超えていて、家に引きこもり、

嫌な事があれば家族に当たり散らしていたと言う。

そんな現状を受け、農林水産省の元事務次官は自分の息子が第三者に迷惑をかけない様にと、息子を刺殺した事件だ。

結果的に元事務次官の父親は、懲役6年の罰を言い渡された。

とても悲しくて、誰もが心を痛める事件だと思う。

引きこもりになってしまった長男は、途中で誰かが救うことは出来なかったのか?殺すしか止める方法は無かったのか?

そして、この事件は調べていくと、さらに、色々な事が明るみに出てきた。

この家にいた、被害者である長男には実は、妹がいて、その妹もこの長男の引きこもりが原因で縁談がダメになり、自殺したのだと言う。

加害者の妻も、息子の家庭内暴力から、うつ病のような状態になり、家庭環境はぐちゃぐちゃな状態だったと言う。

そんな悲しい事件の話を聞いて、僕はある事を思い出した。

ある時一度、僕は人間の精神というか、心というものに興味を持ち、色々な事を調べた事がある。

その時にヒューマンライブラリーというイベントに参加し、精神的な疾患を抱えた事のある人の話を伺った事がある。

その時に話してくれた方は拒食症を患ってしまい、何もご飯を食べる事が出来ずに、入院して、何度も自殺未遂を図ったことのある方だった。

人間の精神の病気は、どうしてそういう症状が出るのかも解明ができてなく、何が引き金になり、症状が悪化するのかわからないような状態だったらしい。

とにかく、ご飯を身体が拒絶するような状態が続き、たまに回復してはまた、症状が悪化するの繰り返しだ。

その人は10代の時に、発症したその精神の病気を結局30代まで、繰り返し、入退院の連続だったらしい。

そしてもっと歳をとった時に、この拒食症の症状を世の中に認知させようと思い、ヒューマンライブラリーなどのイベントで拒食症について語っていた。

僕はその話を一通り聞き、

最後にその人に

「どうして拒食症になったと思いますか?」と聞いてみたんだ。

そしたらその方は、

「まだちゃんとした理由は解明はされてないことだけど、私の拒食症の症状が悪化したタイミングには、ある規則がある事がわかりました。

拒食症の症状が初めて出た時、私は17歳でした。その時、うちでは父親が独立して会社を持ち、忙しくなり、父親がずっと家に帰って来ないという毎日でした。

そして私の病気が悪化して、入院した時に父親はお見舞いに来てくれるようになり、私の症状は回復していきました。

次にまた症状が悪化した時は、私が20の時でした。その時はもっと深刻な症状が出て、もう生きているのが、嫌になる程でした。

そのときは父親の会社の経営がどんどん悪化していき、家庭はぐちゃぐちゃの状態でした。

父親は親戚などからなりふり構わずにお金を借りて、何とかして会社を立て直そうと必死でした。

それでもどんどん会社の経営は悪化していき、本当に深刻な状態になってました。

そして、それに伴って、私の病状も悪化していき、私はその時、1度目の自殺未遂をしました。

病院の屋上から飛び降り、両足の骨を折りました。

気付いたら、病院のベッドで寝ていて、そこで父親と母親が心配そうに見つめているのがわかりました。

そして、その私の自殺未遂を機に父親は正気に戻り、会社を畳む事を決意しました。

その後も私の症状は何度も、悪化して、自殺未遂をもう一度しますが、その時期が見事に家庭環境がぐちゃぐちゃになった時と一致します。

恐らく私は、父親が仕事ばかりを優先するようになった事で、

母親と父親が離れてしまう時に無意識に拒食症を発症させ、母親と父親が話すタイミングを作ってたんだと思います。

家庭のバランスが悪くならないように、、」

そんな話を思い出した。

そして、その話を聞いたとき、

人は本当に複雑に出来ている動物なんだと思った。

家庭環境が歪み出すと、始めにその家庭環境の歪みを解消するために、無意識のうちに働くのはきっと子供たちなんだ。

子供の精神疾患などはそういった事が起因してる事がたくさんあるんだ。

今回の農林水産相の元事務次官の起こした事件も、結局始まりは家庭の歪みだったのだと思う。

家庭の歪みにいち早く気付いた息子が、無意識の内に自らの心を壊して、問題をドンドン大きくし、父親が仕事だけでなく、きちんと家庭に目を向けるように仕向けたのだと思う。

それでも父親は忙しくして、母親や、家庭に目をくれてやる暇も作らず、家庭は崩壊していき、気付いた時には殺人しか止める方法がないような状態になってしまっていたのだと思う。

本当に悲しくて、痛ましい事件だと思う。

でも父親は、もっと早い段階で家庭に目を向けていれば、長男も救えたのではないだろうか?

彼が社会に出れなかったから、挫折し、引きこもりになった訳ではなく。

彼の心は父親に家庭の事を気にかけてくれるために、あえて、引きこもり、問題を作ったのではないだろうか?

本当に人間とは複雑に出来ているんだと僕は思うんだ。

この事件はとても痛ましく、とても凄惨な事件だ。

だけど、そういう風に叫び声を上げている子供達がいる事を、見て見ぬふりをしてはいけないと教えてくれてる事件だとも思う。

いいかい?

何度も言った事だけど、

本当に人間は複雑に出来ているものなんだよ。

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