『AI』と音楽業界

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今、すべてのクリエイター界隈で、価値観が変わり、多くのもののバランスが崩れ、新しい世界が作られてると思う。

当然、音楽業界もその変化の中にあり、そんな転換期を迎えているのだと思う。

 

CDが売れなくなっていることを始め、サブスクなどの聴き放題サービスの開始、手軽に、弾き語りの動画をアップロードして、世界のあらゆる人に自分の音楽を発信できるなど、

音楽業界ももれなく、変化の波が押し寄せてきて、新しい世界に生まれ変わろうとしている。

今日はそんな中、ひときわ、クリエイターたちをおびやかしている存在。『AI(人工知能)』やこれからの音楽クリエイターについて書いていきたいと思う。

 

 

少し前まで、ほとんどの人は、AIや人工知能が、芸術の世界で、人間に代わり、作品を作ることなど不可能だと思っていたと思う。

 

でも、最近AIはどんどん精度がアップグレードされてきて、今では、AIが人間の作曲のフォローをしてくれたり、さらに、AI自身が、過去のアーティストの作品を見本にして、似たような作品を作れるようになってきた。

さらに、これから先は、もっとAIが音楽を作る理論を習得し、音楽や楽曲は、技術や、理論などなくてもAIを用いることで、誰でも簡単に、作ることができる世界が実現されることは間違いないと思う。

 

思えば、人間の技術の歴史は常にツールになりパッケージングされ発売されてきた。

例えば、シンセサイザーの世界もそうで、最初シンセサイザーが誕生したときは、音の合成(シンセサイジング)ができる楽器として、誕生した。

だけど音の合成は、そのときはまだ難しくて、誰でも簡単に合成はできず、一部の専門的な知識を持った人間だけが、合成でき、うまく扱えるような楽器だった。

 

その人間たちが多くの時間を費やし、音の合成をして、ピアノの音や、ギターの音を作り上げてきた。

 

そして、次の時代には、その作り上げた、ピアノの音や、ギターの音をパッケージにし、プリセットとして発売した。

今どのシンセサイザーにもピアノの音やギターの音が入っているのは、こういった歴史があるからである。

 

その瞬間にシンセサイザーという楽器は大衆に認知され、誰でも簡単に、ピアノの音やギターの音を出せる楽器として扱われるようになった。

音を合成する技術は、知識がなくても、簡単に、始められるようになり、一般の人にシンセサイザーという楽器が初めて普及した。

 

カメラ業界もそうだ。

カメラ業界は、一昔前までは、撮る技術で差をつけてたクリエイターが多くいたが、カメラ自身に搭載されている技術が上がり、誰でも簡単に、上手い写真を撮れるようになった。

 

そのおかげで、一般的に高価なカメラが売れるようになり、世間的に一眼レフカメラなどは広まったが、何年もかかり技術をつけてきた多くの写真家が、苦しんだ。

 

こういった技術のパッケージングが今、音楽業界にも起きていると思う。

先ほども話した『AI』はここ最近、音楽制作の現場で度々登場するツールになってきた。

まず、AIは始めに、裏方に登場した。

楽曲制作の最終段階に置ける、マスタリングやミックスは今まで専門的な知識や経験が必要であった。

だが、ここ何年かで、AIがミックスやマスタリングをおこなってくれるシステムが開発され、そのソフトさえ持っていれば、知識や経験がなくても、簡単にミックスやマスタリングといった作業を行えるようになった。

このAIのソフトの精度はいわゆる70点ほどだと、今は言われているが、これから先、どんどん精度が上がることは、目に見えることだと思う。

つまり明日音楽を始めた素人でも、そのソフトを使えば、すぐに70点代、さらに言えばそれ以上のミックスができるようになってきたのだ。

 

そしてこの波は、これから先、もっと楽曲制作の現場にも影響を与てくることになると思う。

 

つまり、これから先、AIの楽曲制作ソフトを使えば、音楽に触れたことのない素人でもすぐに名曲が作れてしまう時代になる。

 

良い音楽を作るための今までの知識や経験はパッケージになり、発売され、そのツールを使えば、誰でも簡単にアーティストっぽい曲を作れる時代になると思う。

 

AIにあのアーティストっぽい曲を作りたいとオーダーし、AIがこんな感じですか?と提案してくる時代だ。

音楽の知識や技術がなくても簡単に曲を作れて、簡単にミックスやマスタリングまでをすぐにでも行える時代がくると思う。

多くのクリエイターやエンジニアの仕事を奪うことにはなるが、それによって作曲や楽曲の制作はもっと大衆的なものになると思う。

このブログを読んでる人の子供あたりには、もう音楽の制作に楽器や、知識や理論は使わなくても良い時代になっていると思う。

多くの音楽家が時代の波に飲み込めることになるが、この変化は、必然であり、どう抗うこともできないと思う。

 

では、クリエイターは、どうするべきなのか、

これから先、誰でも簡単にクオリティの高い曲を作れる時代に音楽のクリエイター達は何を作るべきなのか?

今までは、いろんなものを作れたクリエイターが優秀だった。

多種のジャンルの曲、多種の世界観の曲、など

 

だけどこれからはいろんなものを作るという作業は、AIが担ってくれる時代になる。

 

そのため、そのときに、ひときわ目立つことができるクリエイターは、一つのものしか作れないクリエイター達だと思う。

一つのものを作り続けたクリエイターは一つのものの深さを知り尽くし、さらに、それについての専門的な見解もある。

 

これからくる、時代の変化の中で、音楽クリエイターとして残りたいなら、とにかく自分の色を見つけることが必要不可欠だと思う。

自分はこれしか作れないけど、この一つのものに関しては、誰よりも、

それこそAIよりも優秀なものを作れると言った頑固さがとても重要な時代だと思う。

 

だから全ての音楽家達よ、自分の表現したい色を見つけるんだ。

 

自分はこの色なら誰よりもうまく作れると言った自分だけの世界の色合いを見つけるんだ。

それができなければ、これから先の時代に飲み込まれてしまうよ。

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