中国の”胡適”という思想家

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最近読んだ本の中で、

中国の思想家の胡適(こてき)という人物が登場した。

 

この胡適という思想家が、

かなりすごかったから、そのことについて書いておこうと思う。

 

この胡適という思想家は第二次世界大戦が開戦される

少し前に中国の歴史に登場する。

 

第二次世界大戦の開戦前といえば、中国は、かなり混乱に満ちていて、

東に日本、西にソビエトという当時の強国に挟まれていた。

 

当時の日本は、先立って行われた日清戦争、日露戦争で大きな二つの勝利を納めて

国際的にも怖いものなしの状態だった。

要するに調子に乗っていたのだ。

 

中国は、二つの大国、東に日本、西にソビエトという間にあり

外交的に失敗の許されない状況にあった。

いつもいつ日本が攻めてくるのか

そんなことにかなり怯えていた。

 

中国の政治家たちは、今の状態じゃ日本と戦争をしても

絶対に負けることはわかっていた。

 

中国には日本が攻めてきて日中戦争になった時に選べる道が

三つあった。

 

一つは、日本に妥協し、中国を日本の属国にするか

 

または、ソビエトにすがり、属国になり、ともに日本を叩くか

 

そしてもう一つ、これが一番選ばれる可能性の少ない選択肢だった。

 

日本と思いっきり戦争し、

そして敗北するという選択肢。

 

当然中国の政治家は、一番最後の選択肢なんてとても正気じゃないと思ってた。

 

そこで中国に登場したのが胡適という思想家だ。

 

彼は真っ先に先ほどの選択肢の中で、

一番正気じゃないと思われた選択肢を選ぶべきだと唱えた。

 

誰もがそんなバカことしてどうすると思ったと思う。

 

胡適はこう主張した。

 

「今日本は軍備を揃えていて、世界的に見ても、

とても勢いのある国である。

今の中国じゃ当然戦争をしても勝つことはできないだろう。

 

今日本を倒せる国はソビエトかアメリカのどちらかだが、

そのどちらもまだ軍備的には整ってない。

 

でも日本は今すぐにでも、中国に攻めてくるだろう。

 

じゃあ日本に妥協して、日本に寄り添うべきかと聞かれたら

それも中国のためにはならない。

 

中国は日本と戦争をするべきだ。

大敗はするかもしれない。だがむしろそれで良い。

大敗しても、戦い、世界の各国にその現状を見せつける必要がある。

 

世界的に勢いのある日本に

中国がいじめられてる現状を見せつけて、

同情を引きつけ、世界の強国たち、

特にアメリカやソビエトをこの大戦に参加させて

そして、その援助を受け

 

その時に日本を打ち負かそう。

 

多くの犠牲はあるかも知れない。

でも肉を切らせて、骨を断つ。

そんな政治が必要である。

 

そうすることで中国は日本を打ち負かすことができるはずだ。」

 

さらに胡適はこう続ける。

 

「日本には、”切腹”という自決の方法がある。

 

その方法は、自決する人、自らが自分の腹をかっさいて、

 

そのあとで

後ろに立つ介錯人が刀で首と命を絶つという方法である。

 

今、日本国民一同は自決の道を辿っている。

日本国民は総出で、切腹をすることになるだろう。

 

中国はその時、日本の首を断つ、介錯人になるべきなのだ。

 

そのために今、犠牲を払ってでも、日本と戦争をして、

そして中国の生き残る道を作ろう!」

 

そしてこの思想の通り、

日中戦争は開戦され中国は降伏をせず戦い続けた。

 

全ては強国を動かす目的のもので、

 

そして結果的に第二次世界大戦で日本は大敗し、

アメリカ、ソビエト、中国などの連合国軍が勝利を納めた。

 

この話がとても感銘を受けて、そして面白いと僕は思った。

 

今犠牲を払っても、

そのさきにある大勝利を見つけた胡適という思想家

 

こう言った考えは人生のどの場面にも必要になるだろうと思う。

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