富士山に登ったことpt,2
五合目からは昼の一時頃出発した。
と言うのも、五合目についていきなり登り始めてしまうと体が高度に慣れていないため、
高山病などの危険があるので、
少しゆっくりして体を慣らして登り始めるのが富士登山のコツらしい。
天候は相変わらずで、これから登ろうとする富士山も霧に包まれていて
今から何に登ろうとしているのかもわからないような状況だった。
五合目を出発すると最初は、普通の森の中の山道が何キロも続く、
五合目と言っても、バスで何時間も登ったところなので、
とても高い場所のため、道の途中に崖があれば、そこからの景色はとても綺麗なものらしい。
そう。
”ものらしい”のだ。
僕たちは崖を見下ろしても、そこに広がるのは、ただ真っ白の霧だけだった。
いくら登っても見えるのは霧、白、森。だけ
自分たちがどれだけの高さにいるのかが全然わからなかった。
緩やかな登りの林道のような坂道を二時間ほど、僕と友達は冗談を言いながら、ただひたすらに進み続けた。
山の天候は変わりやすく、雨は降ったり、止んだりをずっと繰り返していた。
それでもひたすらに進み続けると、
林道を抜け、木さえも生きることのできない岩だらけの道にたどり着いた。
そこから上は今までの道とは違い、大きな岩や富士山の赤土や砂利が目立つ道だった。
さぁここからが本当の富士登山だ。
僕はそんな気がした。