時代のはざまで

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俺たちは時代のはざまで産まれた。

 

戦争が終わり、日本は、全てのものがなくなった。

 

だけど、その代わり、多くのものが新しく生まれ、

そこから、新たな価値観ができ、多くの人間が生まれ変わった。

 

新しい価値観を受け入れて多くのものを作ってきた。

 

そのころ隣の韓国では、また戦争が起きて、

それに参加してたアメリカ軍は、

日本のものを欲しがり、そのまま日本のものを多く買っていった。

 

日本の経済は急成長し、

日本は高度経済成長を迎えた。

 

戦争で負けた国だとは誰もが思えないほど、あらゆるものが潤った。

空襲で焼けた街にもインフラが整備され、

焼け野原だった町は、ついにビル群が立ち並んだ。

そして日本は世界の中心になった。

 

誰もが浮かれ、誰もがお金を湯水のように稼ぎ、そしてばら撒いた。

経済は台風のような大きな渦となり、さらに風速を上げて、

多くの人間を巻き込みながら、成長していった。

お金を使っても、次のお金がどんどん舞い込んでくる。

それがバブルだ。

 

そしてそれが「昭和」の終わりだ。

 

そのまま、「平成」が始まり、

誰もが、その台風の風は吹き止むことがないと思っていた。

 

みんなが大きな希望を胸に

多くの人間が日本の再生と「平成」のさらなる進撃を信じてた。

 

だけど、バブルが弾けた。

 

みんな信じてた大きな台風の風が急に止まった。

これまでの強風が急に止まり、経済が凪状態になった。

 

そこから本当の「平成」が始まった。

 

バブルが弾けた「平成」の無風の曇天は、

「昭和」の激動の空模様とは真逆だった。

 

経済は止まり、

お金が自分の手元に回ってこない、そんな状況が当たり前になった。

そして誰もがお金を手放さなくなり、

さらに、経済は無風になり停滞した。

 

曇天はそのまま、動くことなく、日本に覆いかぶさったままだった。

 

いつかは晴れるだろうと信じて、10年経ち、

晴れずに、また10年経った。

そしてそのまま晴れずに30年経ち、

「平成」は、一度も晴れることなく、

終わりを告げた。

 

新元号は「令和」。

 

「令和」はまだ「平成」の曇天を引きずっている。

 

平成よりもむしろ大きく黒い雲が漂っているようにさえ思える。

 

俺たちは時代のはざまにいる。

 

「昭和」と「令和」のはざま、

それが「平成」。

 

平成と同じ過ちをまた繰り返してはいけない。

これからはいろいろな価値観を改めて考えていかないといけない。

 

俺たちはこの時代のはざまで、どう生きるか、そしてどう死ぬか。

もう知らないふりはしてはいけない。

 

見て見ぬ振りはしてはいけない。

 

考えなくてはいけない。この時代のはざまで。

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